― 身体と精神の双方に障害があるケースで、併合認定により1級を獲得した事例 ―
1.基本情報
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年代:40代
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障害の種類:パーキンソン病(精神症状を伴う)
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年金の種類:障害厚生年金
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等級:1級
2.申請前の状況
症状の発症と経過:申請者様は、数年前からパーキンソン病を発症されました。初期には歩行の不安定さ、右上下肢の動かしにくさ、筋肉のこわばりといった身体症状が出現し、病状が進行するにつれ、幻視・幻聴などの精神症状も出るようになり、精神科での投薬治療も併用されるようになりました。
日常生活への影響:パーキンソン病は「オン」と「オフ」の時間があり、特にオフの時間には日常生活能力が著しく制限されました。
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タオルを絞る、ひもを結ぶ、食事を摂る、顔を洗う、衣服の着脱など、細かい動作に困難を感じる
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歩行や立ち上がり、階段の昇降など、移動動作に強い支障がある
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用便の処置や身の回りの衛生管理にも、他者の助言や介助を必要とする場面が多い
就労への影響:事例資料には直接的な就労状況の記載はありませんでしたが、日常生活活動能力の低下から、安定した就労を継続することは難しかったと考えられます。
申請を決意したきっかけ:身体の症状に加えて精神症状も出現し、長期にわたり生活に大きな支障があったことから、将来の生活を支えるため障害年金の申請を決意されました。
3.申請の経緯
初診日の確認:初診は、神経内科を専門とする病院で行われたことが診療記録から確認されました。精神科での治療歴もあわせて把握されました。
医師との連携:主治医が作成した神経内科の診断書は、傷病名、発症時期、初診日、病状の詳細、日常生活動作の障害の程度が丁寧に記載されており、審査で重要な資料となりました。
書類の準備
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医師の診断書
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ご本人の「病歴・就労状況等申立書」
特に、身体と精神の双方の障害が生活に与える影響を客観的に示すことが求められました。
申請時の課題:初回の裁定では「障害等級2級に該当」と判断され、1級の支給は認められませんでした。しかし、身体と精神の障害を併合(加重)認定すべきであるとの主張を行い、社会保険審査会に再審査請求を提出しました。
4.当事務所のサポート内容
詳細なヒアリング
身体機能だけでなく、精神症状(幻視・幻聴など)が日常に及ぼす影響を丁寧に聞き取りました。特に「オフ」時の生活の困難さを具体的に把握しました。
専門的な助言
初回決定が2級にとどまった理由を分析し、障害認定基準にある「日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度」や、身体と精神の障害を併せて評価する「併合(加重)認定」の重要性を説明しました。
書類作成支援
診断書が実際の生活状況を正確に反映できるよう、主治医への情報提供をサポート。再審査請求に向けて意見書を整え、症状の波や生活上の困難を丁寧に記録しました。
審査対応
再審査請求において、身体機能と精神症状を総合的に判断すれば1級相当であると主張。併合認定の適用を資料とともに説明し、納得性の高い審理を目指しました。
5.結果と現在の状況
認定結果
社会保険審査会は、当初の2級裁定を取り消し、障害基礎年金および障害厚生年金の1級支給を決定しました。
生活の変化
経済的不安が大きく軽減し、ご本人は安心して療養に専念できるようになりました。介助を受けつつも生活の質が向上し、症状に合わせた安定した生活基盤を確保されています。
6.申請を検討している方へのメッセージ
パーキンソン病は日によって症状の波が大きく、特に「オフ」の時間は日常生活が非常に困難になります。
最初は2級の認定でも、諦めずに適切な手続きを踏むことで、正当な評価を受けられる場合があります。
身体と精神の障害が重なると認定が複雑になりますが、専門家の支援を受けることで、必要な資料や主張を整理し、最適な結果に導くことが可能です。
障害年金の申請や不服申立てに迷った際は、ぜひ一度ご相談ください。当事務所は、あなたの症状と生活実態を丁寧に伝え、受給までを全力でサポートいたします。
