目次
1. 基本情報
-
年代:40代
-
障害の種類:統合失調症、自閉症スペクトラム障害
-
年金の種類:障害基礎年金
-
等級:2級
2. 申請前の状況
幼少期からの特性と症状の発現
申請者様は、幼少期より自閉症スペクトラム障害を示唆する特性が見られていました。具体的には、道路標識への強いこだわり、横目で物を見る、手順が変わると混乱し恐怖を感じる、特定の要求があるときのみ人と関わるなどの行動が顕著でした。
中学生の頃、恐怖映画をきっかけに、めまい・幻覚・吐き気・発熱などの身体症状に加え、人混みへの恐怖が強まり、約1年間引きこもる生活を余儀なくされました。小児科を受診しましたが、改善には至りませんでした。
高校卒業後は一時的に家業を手伝っていたものの、その後の就職は長続きせず、将来の展望を持つことが難しい状態が続きました。
精神科での初診と診断
成人後、母親に連れられて精神科を初診。このときの診療経過から自閉症スペクトラム障害と診断され、その後は幻覚・妄想・奇異な言動などが現れたため、統合失調症の診断も追加されました。これらの症状は人間関係に大きく影響し、友人との交流を避けるようになり、孤立が深まりました。
長年の精神的困難と不安定な就労状況により、経済的な支えを必要とし、障害年金の申請を決意されました。
3. 申請の経緯
初診日の特定と証明:本件では、症状が幼少期から見られたため初診日の特定が課題となりました。直接的なカルテが残っていない部分もありましたが、精神科受診時の記録、受診状況等証明書、学校生活や就労歴の記録を基に、発病から現在に至る経過を整理しました。
書類の準備:申請にあたっては次の点を明確にしました。
-
家事や身辺の清潔保持、金銭管理、対人関係などの多くの場面で助言・指導が必要であること
-
生活の多くに制限があり、社会生活の自立が困難であること
-
長期間にわたり症状が持続し、改善が難しいこと
加えて、「病歴・就労状況等申立書」には、幼少期からの行動特性、学校・就労の経過、家族の支援状況などを具体的に記載し、審査担当者が症状の経過を正確に把握できるよう工夫しました。
4. 当事務所のサポート内容
初診日の特定と証拠整理
長期にわたる病歴を丁寧にヒアリングし、断片的な医療記録や証明書を整理しながら初診日を裏付ける資料を整えました。
診断書の情報提供支援
医療機関に対し、統合失調症と自閉症スペクトラム障害が日常生活に与える具体的な影響が正確に反映されるよう、情報提供を行いました。
病歴・就労状況等申立書の作成支援
幼少期からの症状、学業・就労歴、社会生活上の困難をわかりやすく記述し、病状の連続性が審査側に伝わるようサポートしました。
申請全体のコーディネート
必要な書類の不足や矛盾が生じないよう全体を確認し、初回申請時にスムーズに認定されるよう整備しました。
5. 結果と現在の状況
認定結果
初診日が適切に認定され、障害基礎年金2級が支給されました。
生活の変化
年金支給により、経済的な不安が大きく軽減され、治療や日常生活に集中できる環境が整いました。家族の支援を受けながら安心して療養できる体制が確立され、精神的な安定にもつながっています。
6. 申請を検討している方へのメッセージ
「障害年金は、長年病気と向き合い日常生活に困難を抱える方にとって、生活を支える大切な制度です。
特に初診日の特定は大きな壁になることがありますが、診療録が不十分な場合でも、他の記録や申立書を組み合わせることで裁定請求段階で認定されるケースもあります。
申請で迷われている方は、一人で悩まず専門家に相談してください。経験豊富なサポートがあれば、複雑な準備も安心して進められます。
障害年金は、安心して療養し生活を続けるための“希望”となる支援です。」
