目次
1. 基本情報
- 年代:60代
- 障害の種類: 認知症(若年性アルツハイマー病・脳の器質性精神障害)
- 年金の種類:障害厚生年金
- 等級:3級
2. 申請前の状況
■ 症状の発症と経過
申請者様は、職場で業務効率の低下やミスの増加を指摘されるようになったことを契機に、物忘れや注意力低下を自覚。家庭内でも同じ話を繰り返す、約束を忘れる、日常の段取りがつかないなどの変化が見られるようになりました。
初診の医療機関では、軽度の認知機能低下と診断されましたが、次第に症状は進行。仕事では計算ミスや書類紛失が頻発し、会議内容を記憶できないなど、実務上の支障が大きくなっていきました。
■ 日常生活への影響
診断書上の「日常生活能力の判定」では、次のような状況が確認されました。
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金銭管理・買い物・通院・服薬:常に助言や指導が必要。
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食事・清潔保持:自発的に行えるが、時に助言が必要。
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社会性・安全保持:対人関係や危機対応に支障があり、家族の援助が求められる。
この状態は、「家庭内では概ね自立しているが、社会生活には援助が必要」とされる日常生活能力の程度(2)に相当しました。
■ 就労状況
当時、請求人様は一般企業に勤務していましたが、ミスの多発により職場での評価が低下。数年間にわたり賃金が段階的に減額されていたことが、給与明細や賃金台帳により確認されました。
これにより、「労働が著しい制限を受ける状態」に該当すると判断されました。
3. 申請の経緯
初診日は医療記録から明確に確認され、そこから1年6ヶ月後を障害認定日として特定。
その時点で、診断書上は「軽度の認知症」との記載に留まっていましたが、当事務所は実際の就労・生活面の制限を丁寧に整理し、申請資料に反映しました。
主な立証ポイントは以下の通りです。
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労働能力の制限の客観的証拠化
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勤務成績の低下や賃金減額の記録を提出し、症状が仕事に直結していたことを明確にしました。
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日常生活能力と症状の整合性
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医師に依頼し、診断書内の生活判定項目を再確認。
家族の援助が必要な具体的事例を付記することで、診断内容と実生活との整合性を高めました。
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「軽度」の表現が示す実態の再評価
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医学的には「軽度」であっても、社会的機能が失われていることを説明し、「軽症高障害」概念に基づき判断を求めました。
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4. 当事務所のサポート内容
当事務所では、初回申請の段階から以下のような支援を行いました。
病歴・就労状況等申立書の作成支援
家族の協力を得ながら、発症から現在までの経過を時系列で整理。
特に「金銭管理の困難」「通院忘れ」「服薬ミス」など具体的な生活上の支障を詳細に記載しました。
就労実績の分析と補足資料の作成
賃金台帳や勤務評価表をもとに、労働能力の低下がいつから顕著だったかを資料を作成。
これにより、診断書では表現されにくい社会的障害を可視化しました。
5. 結果と現在の状況
初回裁定審査の結果、申請者様の障害状態は、
「労働に著しい制限を受ける程度」と認定され、障害厚生年金3級の支給が決定しました。
また、医師の診断書および職務実績資料から、障害認定日時点で既に社会的機能が著しく低下していたことが認められ、
障害認定日に遡って受給が認められました。
この結果、申請者様は過去分の年金を一時金として受給し、以後の生活費・医療費の負担が大幅に軽減されました。
家族の支援のもと、現在は在宅療養を中心に安定した生活を送られています。
6. 申請を検討している方へのメッセージ
認知症や若年性アルツハイマー病といった器質性精神障害では、診断書の「軽度」や「初期」という表現が障害年金の審査に不利に働くことがあります。
しかし、重要なのは診断名の重さではなく、生活・就労上の制限の実態です。
「軽度だから対象外だと思っていた」
「仕事をしていたから申請できないと思っていた」
そのような方でも、実際の支障や援助の必要性を客観的に立証することで、初回申請で認定を受けられる可能性があります。
当事務所では、資料の整理・申立書の作成を通じて、実態に即した正確な申請をサポートしています。
認知機能低下や記憶障害などにより手続きが難しい方も、どうぞお気軽にご相談ください。
障害年金は「支える力」です。
あなたやご家族の生活の安心を、初回申請から確実に形にしていきましょう。
