目次
1.基本情報
- 年代: 50代(発症時)
- 障害の種類: 頸髄症
- 年金の種類:障害厚生年金
- 等級:3級(遡及請求)
2.申請前の状況
申請者様は、職場で足に力が入らず転倒し、その後足を引きずるようになるという症状を経験されました。腰痛に加えて右下肢の脱力感が持続し、生活に支障をきたすようになりました。
症状に対して複数の医療機関を受診されましたが、ある医療機関では「腰から来ている」と診断され、別の医療機関では「首から来ている」と言われるなど、診断名が一致しない状況でした。当初入院した医療機関では、腰椎椎間板ヘルニアや右腟排関節炎(骨折後遺症)と診断され、保存治療を受けました。その後、右手の動きが悪くなるなどの症状も出現し、別の医療機関で「頸髄症」と診断され、手術を受けられました。さらに、右下肢しびれや右下垂足の症状が継続し、再度頸髄症の手術を受けられました。
これらの症状は歩行困難を伴い、申請者様は仕事に就くことができなくなり、最終的には厚生年金保険の被保険者資格も喪失するに至りました。
3.申請の経緯
申請者様は、頸髄症による障害給付を請求するにあたり、Aクリニックを初診日として主張されました。しかし、当初受診した医療機関からの受診状況等証明書が提出できず、また、過去に受給された傷病手当金の傷病名が腰椎椎間板ヘルニア等であったため、保険者側は請求傷病(頸髄症)との関連が確認できないとして、初診日を認定せず却下処分を下しました。そのため、当事務所へのご相談に至りました。
このケースの最大の課題は、発症当初の症状(右下肢脱力感、膝折れ)が、当初の診断名(腰椎椎間板ヘルニア等)だけでなく、後に診断された頸髄症とも相当因果関係があることを証明することでした。保険者側は、異なる診断名であることを理由に、初診日を認定しませんでした。
4.当事務所のサポート内容
障害年金申請において、初診日の傷病と現在の傷病との間に相当因果関係があることを立証することは、非常に専門的な判断を要します。 当事務所は、複雑な病歴と複数の診断名があるこのケースに対し、以下のようなサポートを提供しました。
詳細な医療記録の分析と因果関係の立証
当事務所は、申請者様の過去の入院診療計画書、傷病手当金支給記録、退院記録など、様々な医療記録を綿密に分析しました。特に、最初に「腰から来ている」と診断された時期からすでに「右下肢脱力感」や「階段での膝折れ」といった症状が顕著であったことに着目。これらの症状が、後に頸髄症と診断された症状と密接に関連していることを、医学的知見に基づき論理的に立証しました。
症状の一貫性と継続性の強調
診断名は異なっていても、右下肢の歩行障害が継続していること、そしてその原因が頸髄症によるものであると後の医療機関で明確に診断されていることを強調しました。当初の治療が腰椎椎間板ヘルニアに対して行われたとしても、症状の経過から見て「同一の傷病と認めるのが合理的である」という説得力のある主張を展開しました。
申請者様からの陳述書の作成支援
申請者様の記憶や感覚に基づいた病状の経過(「足に力が入らず転んだ」「足を引きずっていた」)が、医療記録と整合性を持つように、陳述書の作成を支援しました。これにより、客観的資料と申請者様の主観的体験が結びつき、より強固な証明となりました。
社会保険審査会での専門的主張
原処分が不当であることを示すため、社会保険審査会において、専門家としての知見に基づき、症状の連続性、治療の継続性、そして傷病間の相当因果関係の重要性を具体的に主張しました。
5.結果と現在の状況
当事務所の専門的なサポートの結果、社会保険審査会は、申請者様が最初に右下肢の脱力感を訴えて受診したAクリニックを本件の初診日として認めました。審査会は、当初の診断名が異なっていても、症状の経過から見て、後に頸髄症と診断された傷病と「同一の傷病と認めるのが合理的である」と判断しました。
これにより、当初の却下処分が取り消され、申請者様の頸髄症による障害の程度について改めて判断を行うこととなりました。初診日と保険料納付要件が認められたことで、障害厚生年金3級の遡及請求が認められ、年額60万、遡り300万の受給にいたることができました。
6.申請を検討している方へのメッセージ
障害年金申請において、発症から現在までの病歴が複雑であったり、複数の医療機関で異なる診断名が下されていたりするケースは少なくありません。このような場合、ご自身で初診日を特定し、その因果関係を証明することは非常に困難です。
今回の事例は、診断名が異なっていても、症状の継続性や因果関係を丁寧に立証することで、初診日を遡及認定することが可能であることを示しています。 私たち障害年金申請代行の専門家は、お客様の複雑な病歴を徹底的に分析し、医学的・法的根拠に基づいた資料収集と主張を行うことで、困難な初診日認定の課題を解決いたします。「自分のケースは複雑だから無理かもしれない」と諦める前に、まずは当事務所にご相談ください。 私たちが、お客様の未来を切り開くお手伝いをいたします。
