目次
― 糖尿病を原因とする腎不全で、初回申請により2級認定を獲得した事例 ―
1. 基本情報
- 年代:50代
- 障害の種類:慢性腎不全(糖尿病による)
- 年金の種類:障害厚生年金2級
- 等級:2級
2. 申請前の状況
■ 発症から治療までの経過
申請者様は、勤務先の健康診断で高血糖を指摘され、医療機関で2型糖尿病の診断を受けました。
当初は投薬による治療で血糖値のコントロールを行っていましたが、徐々に腎機能が低下。
糖尿病性網膜症や足の潰瘍などの合併症もみられ、慢性腎不全への進行が確認されました。
その後、全身倦怠感や食欲低下、浮腫などの症状が顕著となり、腎機能の数値(クレアチニン値など)も悪化。
医師の判断により、血液透析が導入されました。以降は定期透析を継続しています。
■ 日常生活への影響
透析導入後は、日常生活に次のような制限が生じました。
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食事・水分摂取に厳格な制限が必要。
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透析日には長時間の通院を要し、就労は困難。
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日常動作は自立しているものの、疲労や浮腫により介助を要する場面がある。
診断書では「身の回りのことのみ可能」と記載され、一般状態区分表では「ウ」に該当。
これは、軽労働はできないが、日中の半分以上は起き上がって生活している状態を意味します。
■ 就労状況
透析導入以降は、勤務先での就労継続が困難となり、休職・退職を余儀なくされました。
申請時点では無職であり、医師の意見書でも「就労不可能」と明記されていました。
3. 申請の経緯
■ 初診日の確認
本件では、初診日が「糖尿病」と診断された時点であり、その時期が厚生年金被保険者期間内にあることが重要でした。
カルテが一部廃棄されていたため、初診日の証明には苦労しましたが、
服薬記録(お薬手帳)に経口血糖降下剤の調剤履歴が残っていたことが決定的な証拠となり、初診日を確定できました。
■ 申請時の提出資料
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医師作成の診断書(腎疾患・透析用)
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お薬手帳および薬局の調剤記録
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健康診断の結果通知書
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受診状況等証明書
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病歴・就労状況等申立書
これらを整理し、糖尿病性腎症から透析導入に至るまでの経過を明確にしました。
■ 申請結果
初回申請の結果、厚生労働大臣により
障害厚生年金の2級認定が決定しました。
認定理由として、
「人工透析療法施行中の者は、原則として2級に該当する」
との厚生労働省告示基準(国年・厚年共通認定基準)に基づき判断が行われました。
4. 当事務所のサポート内容
当事務所では、透析導入例のように初診日特定が難しいケースに対して、以下のような支援を行っています。
初診日の立証サポート
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医療機関のカルテがない場合でも、お薬手帳・健康診断結果・紹介状・生命保険請求記録などの補助資料を収集。
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これらを時系列に整理し、行政審査で証拠能力を持つ形式に整えました。
病歴・就労状況等申立書の作成支援
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糖尿病の経過、透析導入までの症状変化、生活制限の具体例を丁寧にヒアリング。
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「なぜ透析が必要となったか」を医学的根拠と生活実態の両面から記載しました。
申請書類の調整
- 診断書と申立書の内容に齟齬がないように調整しました。
手続きの一括代行
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年金事務所への提出書類確認、添付資料の整理、申請時期の最適化をサポート。
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書類不備による差戻しや再提出を防ぎ、スムーズな初回裁定につなげました。
5. 結果と現在の状況
申請の結果、請求人様は障害厚生年金2級に認定されました。
障害年金の受給により、透析通院にかかる交通費や医療費の負担が大きく軽減。
現在は週3回の透析を継続しつつ、安定した生活を送られています。
「年金が決まって、これからの生活の見通しが立った」
というご本人の言葉が印象的でした。
6. 申請を検討している方へのメッセージ
慢性腎不全による人工透析は、障害年金制度上、明確に認定基準が定められている傷病です。
しかし、初診日や病歴の記録が古い場合、書類の不備により認定が遅れることも少なくありません。
「昔の病院が閉院していて記録がない」
「糖尿病の治療を中断した時期がある」
そんな場合でも、お薬手帳や健康診断の記録など、些細な資料が初診日の証明につながることがあります。
障害年金は、治療を続ける方々の生活を支える大切な制度です。
私たちは、複雑な書類整理や初診日認定のサポートを通じて、確実な受給を実現するお手伝いをしています。
「透析が始まったら、まずはご相談を」
専門家の伴走により、あなたの生活と治療の両立を支援いたします。
