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人工透析を必要とする腎疾患は、病態としては障害年金の中でも2級以上の認定を受けやすいとされる傷病の一つです。しかし、一方でその場合でも、申請には「初診日の証明」が不可欠であり、古い記録の確認が困難な場合が多く大きな障壁となります。今回は、糖尿病性腎症により人工透析治療を受ける60代前半の申請者様が、初診日の証明という課題を乗り越え、障害厚生年金2級の受給に至った事例をご紹介します。
1.基本情報
- 年代: 60代前半
- 障害の種類: 糖尿病性腎症
- 年金の種類: 障害厚生年金
- 等級: 2級
2.申請前の状況
申請者様は、かなり前から糖尿病の治療を開始されました。当初は外来で通院治療を行っていましたが、年月が経つにつれて糖尿病が進行し、糖尿病性腎症を発症されました。
病状は徐々に悪化し、人工透析療法(血液透析)、高度異常値を示すなど、腎機能は著しく低下しており、肉体労働は制限されるものの、軽度の家事や事務といった軽労働は行える程度の身体状態でした。この状況が継続することで、日常生活はもちろん、就労面においても大きな影響を受けていました。当初は年金事務所で手続を自身で行っていましたが、初診日の証明の難しさ、日本年金機構の担当者からの指示により障害厚生年金へと変更されるなど手続きが複雑になったため、 自宅から当事務所への電話でのご相談、ご依頼となりました。
3.申請の経緯
申請者様が障害給付の申請を行うにあたり、最も重要なのは、糖尿病性腎症の初診日の証明でした。申請者様は当初、ある病院を初診日として主張されていました。しかし、その時期に受診したとされる最初の医療機関では、残念ながら診療記録が残されておらず、初診日の事実を客観的に確認できる資料を添付することができませんでした。
申請者様は、厚生年金保険の被保険者期間中に初診日があり、保険料納付要件も満たしていることが確認できていたにもかかわらず、この初診日の壁に直面しました。
また、申請の途中で、当初障害基礎年金として請求していたものが、日本年金機構の担当者からの指示により障害厚生年金へと変更されるなど、手続き上の複雑な経緯もありました。そのあたりも当事務所で整理して障害年金の代理申請を行いました。
4.当事務所のサポート内容
人工透析治療を受けている方の障害年金申請は、病態に関しては一定認定されやすい傾向にありますが、それでも初診日の証明は避けて通れない重要な課題です。 当事務所は、申請者様の困難な状況に対し、以下のような専門的なサポートを提供しました。
初診日を特定するための徹底的な資料収集と分析
最初の医療機関で記録が残っていなかったため、当事務所は、次に古い受診記録を掘り起こし、その医療機関が作成した「紹介・診療情報提供書」に記載された情報に着目しました。この資料に「平成〇年〇月頃から当院外来にて通院治療を行っている」との記載があったことから、この時期の受診が、傷病である糖尿病の治療に関するものであることを証明する強力な根拠として提示しました。
保険料納付要件の確認と主張の明確化
申請者様が、初診日とされた時期に厚生年金保険の被保険者であり、かつ、保険料納付要件を満たしていることを明確に確認し、この点を強く主張しました。これにより、初診日が認定されれば受給資格があることを示しました。
複雑な申請手続きのナビゲート
ご自身での申請手続き途中で、請求の種類が変更されるということがが発生しました。当事務所は、このような手続き上の混乱があった場合でも、お客様が不利益を被らないよう、適切な申請種類への変更対応や、必要な書類の提出などをサポートしました。これにより、申請者様は手続きの複雑さに戸惑うことなく、申請を進めることができました。
裁定請求書一式の作成と初診日の主張
当事務所は、残された医療記録の解釈、病歴の連続性、そして法的な観点から、最も古い「医療機関が作成した書面で確認できる」受診日を初診日として認定するよう、主張しました。
5.結果と現在の状況
当事務所の専門的なサポートの結果、申請者様が糖尿病で受診したことが医療機関作成の書面により確認できるもののうち、最も古い「平成〇年〇月」を本件の初診日として認めました。この初診日において、申請者様は保険料納付要件を充足していると判断されました。
さらに、人工透析療法(血液透析)を実施しているという事実に基づき、障害等級2級に該当すると判断され、これにより、申請者様には障害厚生年金2級および障害基礎年金2級の支給が決定されました。
現在、申請者様は障害年金を受給できるようになり、人工透析による身体的・精神的な負担に加え、経済的な不安も大きく軽減されました。これにより、安心して療養生活を送ることができ、生活の質が向上しました。
6.申請を検討している方へのメッセージ
糖尿病性腎症による人工透析治療は、障害年金の認定基準において重要な要素となりますが、何よりも「初診日の証明」が成功の鍵を握ります。 特に長期間の治療歴がある場合や、古い医療記録が残っていない場合、初診日を確定させることは非常に難しい課題となります。
今回の事例のように、直接的な証明が困難な場合でも、間接的な資料や過去の医療機関からの情報提供書を丁寧に読み解き、最も確実な初診日を特定する専門的なサポートが不可欠です。 私たち障害年金申請代行の専門家は、お客様の複雑な状況を一つ一つ丁寧に紐解き、必要な証拠を集め、説得力のある書類作成を支援いたします。「初診日が分からない」と諦める前に、ぜひ当事務所にご相談ください。 あなたの受給への道を、私たちが共に切り開きます。
