目次
1.基本情報
- 年代: 60代
- 障害の種類: 糖尿病及び糖尿病性腎症(末期腎不全)
- 年金の種類: 障害厚生年金
- 等級: 2級
2.申請前の状況
申請者様は長年にわたり糖尿病を患っており、以前から高血糖を指摘され、内服薬による治療を受けていました。しかし、病状のコントロールが不良で、過去にはうっ血性心不全で入院し、さらに腎機能が悪化してクレアチニン値が増悪しました。その結果、血液透析を導入することとなりました。
透析導入後は、週に3回、1回3時間の血液透析が必要となり、通院が生活の中心となりました。身体所見としては浮腫や貧血が見られましたが、悪心・嘔吐、食欲不振、頭痛などの自覚症状は特になく、長期透析による合併症も認められませんでした。日常生活活動能力としては軽作業は可能とされていましたが、透析のための通院が必要な状況でした。そういった状態の中障害年金の事を知り、当事務所へのご相談となりました。
3.申請の経緯
申請者様とご相談した結果、受給できる可能性がありと判断し末期腎不全による障害の状態にあるとして、事後重症による障害給付の裁定請求を代理で行いました。このケースの主な争点は、「初診日の特定」でした。初診日を証明するカルテなどの診療録が残っていませんでした。
初診日認定適格資料として、複数の医療機関の診断書や身体障害者手帳、診療録などを提出しましたが、その中で当事務所が特に注目したのが、C病院の診療録に記載された以下の記録でした。 「H〇年〇月〇日 TEL再診、DMと診断される。当院の薬を一緒に服用してよいか、〇〇院長申OKとの由伝える」
この記録から、「DM」が糖尿病を指し、その処方薬が記載されていることから、電話による再診で糖尿病と診断され、薬の服用について相談している状況が読み取れました。
4.当事務所のサポート内容
当事務所は、初診日の証明が困難な状況下で、申請者様の代理人として、以下のサポートを提供しました。
過去の医療記録の徹底的な調査
申請者様の記憶や手元に残る断片的な情報から、過去に受診した可能性のある医療機関を特定し、カルテなどの診療記録の開示を請求しました。
間接的な証拠の収集と分析
直接的な初診日の証明資料がない場合でも、電話再診記録のように、診断名や処方内容が明記された間接的な記録が初診日の強力な証拠となることを踏まえ、細部にわたる情報収集を行いました。
法的根拠に基づいた主張の構築
収集した証拠に基づき、初診日が、厚生年金保険の被保険者期間中であり、保険料納付要件を満たしていることを明確に示しました。
効果的な裁定請求書一式の提示
複雑な医療記録の中から初診日を特定するための重要な情報を抽出し、審査機関に対し、専門的かつ論理的に初診日の認定を求める主張を行いました。
5.結果と現在の状況
審査側は、C病院の診療録に記載された電話再診の記録に基づき、初診日と認定しました。この初診日において、申請者様が厚生年金保険の被保険者であり、所定の保険料納付要件を満たしていることも確認されました。
さらに、人工透析療法を施行されているため、国民年金・厚生年金保険障害認定基準において、原則として障害等級2級と認定されました。
- 認定結果: 障害基礎年金2級および障害厚生年金2級の支給が決定
- 受給額: 年額約110万円
- 生活の変化: 障害年金を受給することで、高額な透析医療費やその他の生活費に対する経済的な不安が大幅に軽減されます。透析治療を継続しながらも、経済的基盤が安定することで、より安心して療養生活を送ることができるようになりました。
6.申請を検討している方へのメッセージ
糖尿病性腎症などの内部障害において、人工透析療法を導入している方は、原則として障害年金2級に該当する可能性が高いです。しかし、この事例のように、初診日の証明が困難で申請が却下されてしまうケースも少なくありません。
特に、長期間にわたる傷病の場合、過去の医療記録が残っていないこともあります。そのような場合でも、電話記録や他の医療機関の受診履歴など、一見関係なさそうな資料が初診日特定の決め手となることがあります。障害年金の中には、初診日特定の難しさに直面したものが多くありますので、諦めずに障害年金申請代行の専門家にご相談ください。
