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2020/07/22更新
障害年金の”障害”ってなんだろう
みなさまこんにちは
障害年金窓口ソシオノームの田原と申します。
突然ですが、みなさまは「障害」と聞くとどのように感じますか?
私には、とても重い病気のように感じ、日常生活を送るのに、とても大変…という印象を感じます。
人それぞれ感じ方は違うかもしれませんが、もしかすると皆様の中には、
「自分の病気は“障害”と呼ぶには軽すぎる気がする…」
「自分は障害年金を受け取れないんじゃないか…」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、障害年金における「障害」とはどういった状態を指すのかをお話したいと思います。
障害年金における「障害状態」とは、
身体または精神に、国民年金法、厚生年金法が定める程度の障害状態にある場合を言います。
例外はありますが、原則的には病名なども問われません。
障害基礎年金を請求される方は「1級」「2級」に該当していること、
障害厚生年金を請求される方は「1級」「2級」「3級」に該当していることで、
障害年金が支給されます。
また、障害厚生年金は、3級の障害よりやや程度の軽い障害が残った時に支給される「障害手当金」という一時金もあります。
では、「1級」「2級」「3級」「障害手当金」に該当する障害状態とは
どのような状態なのか確認してみましょう。
1級
「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする症状が
日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの」
日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度とは、
日常生活の中で、周りの方からの介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができない程度の状態を指します。
例えば・・・
食事や着替えなどの身の回りのことはかろうじてできるけど、外出をしたり、料理を作ったり、掃除・洗濯をしたり等の家事労働はできない人
入院していて活動範囲がベッド周辺に限られている人
病気により医者から絶対安静を指示されている人 等
活動範囲が病院内であればベッド周辺、自宅であれば寝室に限られている人が該当します。
非常に動ける範囲が限定されていることから、「寝たきり」をイメージすることができます。
2級
「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、
日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」
日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、一人で日常生活を過ごすことが非常に困難で、労働により収入を得ることが出来ない状態を指します。
例えば・・・
家庭内で簡単な活動(軽食作り、下着程度の洗濯)はできるけど、栄養バランスを考えた食事を作ったり、自宅を清潔に保てるよう清掃をしたり等のそれ以上の活動はできない人
病気により仕事を続けることが出来ず、収入を得ることが出来ない人 等
傷病によって収入を得ることができない状態は、一つの大きなポイントと言えます。
活動範囲も病院であればおおむね病棟内で、家庭内の生活であればおおむね家屋内に限られます。
3級※障害厚生年金対象の方のみ※
「労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい
制限を加えることを必要とする程度のもの」
ここでも労働のことに触れています。
傷病によって働くことに大きな制限を受けている状態が3級の該当状態と言えると思います。
例えば・・・
病気によって、今まで行っていた仕事が出来なくなり簡単な業務内容に変わった人、
部署移動があり、常に管理、指導されるような部署に変わった人、
遅刻や早退、欠勤が増えて働く時間が減った人、
他の従業員と意思疎通が難しく、職場でトラブルが起きている人 等
障害手当金※障害厚生年金対象の方のみ※
「傷病が治ったものであって、
労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの」
ここで言う「治った」とは一般的に傷病が治癒した状態のことではなく、これ以上治療しても症状が改善することが期待できない状態を言います。
脳梗塞を患って、半身に麻痺が残ってしまったり、事故や怪我で指が切断されたり、
その部位のリハビリを続けても、現状維持が出来ても症状が良くなることはありません。
このような状態が「治った」ことを示しています。
他の障害年金が年間の定期支給となっていますが、この障害手当金は1回限りの一時金となっています。
金額につきましては、前回の障害厚生年金のブログを参照してください。
障害基礎年金は1級、2級に状態に該当していること、
障害厚生年金は1級~3級、障害手当金の状態に該当していることがそれぞれの受給要件です。
これは障害年金を受給するにあたって必ずクリアしなければいけない「障害程度要件」にあたります。
また、
冒頭では、「原則的には病名なども問われません。」とお伝えしましたが、例外もあります。
精神疾患の「人格障害」「神経症」は、認定の対象のならないと認定基準に明記されています。
人格障害・・・別名パーソナリティ障害とも呼びます。
自己愛性、回避性、反社会性、境界性など色々なタイプがあります。
神経症・・・・不安障害、パニック障害、強迫性障害などが神経症に分類されています。
ただし、神経症に関しては、統合失調症やうつ病の様な症状を示しているものについては
認定対象となります。以下はうつ病、統合失調症の病態を示しています。
うつ病の症状・・・・
うつ気分、興味や喜びの喪失、疲労感の増加、自身の喪失、無価値観や罪責感
自殺など死を繰り返し考える、将来に対する不安や悲観的な考え、
思考力、集中力、決断力の低下、体重と食欲の変化、不眠などの睡眠の変化など
統合失調症の症状・・・
実際には聞こえないはずの幻聴、見えないはずの幻視、
誰かに狙われている、自分の悪口を言われている等の被害妄想、
自分の考えが声になって聞こえる、まとまりのない話し方、
著しい無気力、感情の鈍麻、平板化、集中力や判断力の認知機能の低下など
今回ここで挙げた障害等級は、あくまでその障害状態の基本ですので、
それぞれ傷病ごとの詳しい等級は障害認定基準の中に記載されています。
(例)
うつ病の障害等級1級
高度の気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつこれが持続したり、
頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
過去のブログに挙げているように、
初診日が分かることと、保険納付要件を満たしていることも必要条件ですが、
もし皆様の抱えている傷病によって日常生活に影響を受けているのであれば、
障害年金をご検討されてみてはいかがでしょうか?
分からない事や不安なことにお応えできるスタッフが揃っていますので、
是非一度お気軽にご相談ください。
障害年金窓口ソシオノーム
田原 淳平
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