ー長期経過の難病で初回申請から適正な認定を得られた事例ー
1. 基本情報
- 年代:50代
- 障害の種類:全身性強皮症、肺高血圧症
- 年金の種類:障害基礎年金
- 等級:2級
2. 申請前の状況
■症状の発症と経過
申請者様は若年期からレイノー症状(指先の冷感や色調変化)を感じており、その後、足趾のチアノーゼや疼痛が出現。
医療機関での検査により、全身性強皮症と診断されました。
症状は良くなったり悪化したりを繰り返し、内服が不規則になる時期もありましたが、
次第に潰瘍形成(手指・足趾)や関節痛が頻発するようになり、
その後、肺高血圧症を併発し、息切れや動悸が強くなってきました。
病状悪化に伴い、専門医による継続治療が必要となり、医療機関を転院しながら治療を続けていました。
■日常生活への影響
申請時点の主な症状は以下の通りでした。
- 軽い労作(階段昇降、家事)で強い息切れ
- 動悸、めまいが頻繁に出現
- 易疲労性が強く、起床後も横になって休む時間が長い
- 手指の痛みで細かい作業が困難
- 家事は休みながら部分的に可能だが、継続作業は難しい
診断書では次の評価が示されました。
- 一般状態区分「ウ」
→「軽労働はできないが、日中の50%以上は起きて活動している」 - 動作・歩行・家事など複数の項目で「介助が必要」
- 労作時の息切れ、動悸のため、社会生活に著しい制限あり
難病特有の慢性的な倦怠感や呼吸苦により、外出や家事が大きく制限され、
日常生活全般に相当の支障が出ていました。
■申請を決意した理由
長年治療を続ける中で身体機能が低下し、動作のほとんどに制限が生じていました。
労働継続が困難になり、生活費や医療費の負担が増えたことから、
今後の生活を安定させるため、障害年金の申請を決断されました。
3.申請の経緯
■身性強皮症は発症から診断まで時間がかかることが多く、本件でも長期の経過を辿っていました。
複数の医療機関を受診されていたため、
最も古い受診(強皮症の診断契機となった受診記録)を基に
初診日を客観的資料で証明することが申請上の重要ポイントでした。
幸い、該当医療機関の診療録が残っており、
初診日が国民年金加入期間中であること、
保険料納付要件を満たしていることが確認できました。
■医師との連携と必要書類の準備
提出された診断書には以下の情報が詳細に記載されました。
- 全身性強皮症の発症と経過
- 肺高血圧症の診断と治療状況
- 労作時呼吸困難の程度
- 易疲労性・動悸・めまいの出現頻度
- 家事・日常生活動作への具体的な支障
- 一般状態区分表で「ウ」と評価
また、病歴・就労状況等申立書では、
階段昇降での息切れ、家事負担、指先の痛みで物を落とすなど、
日常生活の困難を具体的に記述しました。
これらの書類が、障害等級2級に該当する障害状態であることを裏付ける重要な資料となりました
4.当事業所のサポート内容
難病申請では、症状の変動・受診歴の長期化により、
初診日や等級の判断が複雑になります。
当事務所では、以下の支援を行いました。
■初診日の調査・証明支援
- 過去の医療機関の受診歴を整理
- 初診日として使用できる診療録の確認
- 必要書類の取り寄せサポート
■ 医師記載のポイントを整理して助言
- 労作時呼吸困難の程度を正確に記載
- 家事・外出制限の具体的な状況
- 強皮症と肺高血圧症の影響を総合評価する点を説明
■ 病歴・就労状況等申立書の作成
難病の生活制限は診断書だけでは伝わりにくいため、
「具体的に何ができないか」を文章化し、審査側に伝わりやすい資料を作成しました。
5.結果と現在の状況
■申請結果
初回申請の結果、請求人様の状態は
障害基礎年金2級に該当と認められました。
- 受給開始:裁定請求日
- 受給内容:障害基礎年金2級
■生活の変化
障害年金の受給により、
- 医療費負担の軽減
- 生活費の補填
- 体調悪化期の療養環境の確保
など、経済的・精神的な安心につながりました。
現在も治療を継続しながら、無理のない範囲で日常生活を送られています。
6.申請を検討している方へのメッセージ
全身性強皮症・肺高血圧症などの難病は、
症状が日によって変動し、生活上の支障が見えづらいことがあります。
しかし、
労作時の息切れ・動悸・めまいによる生活制限
家事や移動に常に休憩を必要とする状態
これらは、障害年金の等級に該当する重要な要素です。
初診日の管理や、生活制限の記載方法に不安がある場合、
専門家のサポートにより受給の可能性は大きく高まります。
諦めず、まずは現在の状況を整理することから始めてください。
あなたが安心して治療に専念できるよう、私たちが伴走します。
