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悪性新生物
2025.10.01公開

60代・直腸癌(人工肛門造設)で障害基礎年金2級を受給

― 人工肛門の造設に加え、全身状態の悪化が総合的に評価された事例 ―

1.基本情報

  • 年代:60代

  • 障害の種類:直腸癌(人工肛門造設)

  • 年金の種類:障害基礎年金

  • 等級:2級

2.申請前の状況

申請者様は直腸癌と診断され、腹腔鏡下低位前方切除術、腟部分切除術、回腸人工肛門造設術を受けられました。術後はステージIVと診断され、腫瘍マーカーの上昇も認められ、化学療法を継続されていました。

人工肛門の管理に加え、抗癌剤の副作用として 手足・口のしびれ、股関節痛、倦怠感、嘔気、味覚障害、食欲低下、動悸 が持続していました。これらの影響により家事は困難となり、家族の支援が不可欠な状態でした。外出は病院への通院程度に限られ、「一般状態区分表」では「エ」(日中の50%以上臥床し、自力での屋外外出はほぼ不可能)と評価されていました。

診断書には「倦怠感が強く、家事労働は限られ、家族の支援が必要」「就労は不能」と記載されており、日常生活および就労能力の大幅な制限が明確でした。

人工肛門造設による身体的障害に加え、がんの進行と化学療法の副作用により全身状態が悪化。生活に著しい支障をきたしていたため、障害年金を申請されました。

3.申請の経緯

初診日の特定:直腸癌の初診日が医療記録に基づいて特定され、人工肛門造設から6か月後が障害認定日とされました。

書類作成と医師の協力:主治医により、人工肛門造設の事実や抗癌剤治療による全身状態の悪化、日常生活への影響が詳細に記載された診断書が作成されました。

課題となった点:審査過程では、診断書に記載された**「一般状態区分表:エ」と、別途医療機関が回答した「悪性腫瘍におけるPerformance Status(PS)」**の評価が食い違っていました。保険者はこの齟齬を理由に支給を認めない意見を示しましたが、障害認定基準上は「一般状態区分表」の評価が重視されるため、この点が大きな論点となりました。

4. 当事務所のサポート内容

診断書評価の専門的支援

「PS」と「一般状態区分表」の違いを整理し、認定基準上は一般状態区分表が優先されるべきであることを主張しました。

総合的な障害状態の立証

人工肛門造設のみであれば3級相当ですが、

  • ステージIVの進行がん
  • 化学療法の副作用による全身倦怠感
  • 家事不能や外出制限
  • 「一般状態区分:エ」という評価
    を総合的に考慮すれば、2級に該当する可能性があると整理しました。

5. 結果と現在の状況

認定結果

人工肛門に加え、全身状態を総合的に評価した結果、障害基礎年金2級が認定されました。

生活の変化

障害基礎年金2級の支給により経済的負担が軽減。長期にわたる治療・療養に専念できる環境が整いました。精神的にも大きな安心感が得られたと考えられます。

6. 申請を検討している方へのメッセージ

がん(悪性新生物)による障害年金の申請では、病状のステージや手術歴だけでなく、日常生活の制限や抗がん剤治療の副作用をどれだけ具体的に診断書へ反映させるかが重要です。
人工肛門や人工膀胱は、それ自体で等級に該当しますが、全身状態や生活能力の低下と併せて評価されることで、より上位等級が認められる可能性もあります。
進行がんで生活に支障を感じている方は、諦めずにご自身の状況を専門家にご相談ください。適切な申請サポートにより、療養生活を支えるための障害年金が得られる可能性があります。

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