音声又は言語機能の障害
音声又は言語機能の障害とは、発音に関わる機能又は音声言語の理解と表出に関わる機能の障害をいい、構音障害又は音声障害、失語症及び聴覚障害による障害が含まれるとされています。
構音障害又は音声障害
歯、顎、口腔(舌、口唇、口蓋等)、咽頭、喉頭、気管等の発声器官の形態異常や運動機能障害により、発音に関わる機能に障害が生じた状態のもの
失語症
大脳の言語野の後天性脳損傷(脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷や脳炎など)により、一旦獲得された言語機能に障害が生じた状態のもの
聴覚障害による障害
先天的な聴覚障害により音声言語の表出ができないものや、中途の聴覚障害によって発音に障害が生じた状態のもの
音声又は言語機能の障害の程度と認定基準
音声又は言語機能の障害については下記のとおりとされています。
等級 | 障害の状態 |
2級 | 音声又は言語機能に著しい障害を有するもの 発音に関わる機能を喪失、又は話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方がほとんどできないため、 日常会話が誰とも成立しないもの |
3級 | 言語の機能に相当程度の障害を残すもの 話すことや聞いて理解することのどちらか、又は両方に多くの制限があるため、日常会話が互いに内容を推論したり、たずねたり、見当をつけることなどで部分的に成り立つもの |
障害手当金 | 言語の機能に障害を残すもの 話すことや聞いて理解することのどちらか、又は両方に多くの制限があるため、日常会話が互いに内容を推論したり、たずねたり、見当をつけることなどで部分的に成り立つもの |
その他の考慮されること
〇構音障害、音声障害又は聴覚障害による障害については、発音不能な語音を下記の事項や、語音発語明瞭度検査等が行われた場合はその結果を確認して評価する、とされています。
イ 歯茎、歯茎音(さ行、た行、ら行等)
ウ 歯音、歯茎音(さ行、た行、ら行等)
エ 軟口蓋音(か行音、が行音等)
〇失語症については音声言語の表出及び理解の程度について確認するほか、標準失語症検査等が行われた場合はその結果を確認して評価するとされています。なお、失語症が、音声言語の障害の程度と比較して、文字言語(読み書き)の障害の 程度が重い場合には、その症状も勘案して総合的に認定するとされています。
〇喉頭全摘出手術を施した場合
- 原則として手術を施した結果、発音に関わる機能を喪失したものについては、2級と認定するとされています
- 障害認定日は、喉頭全摘出手術を施した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)とするとされています
〇歯のみの障害による場合は、補綴(クラウンや入れ歯などの人工物を補うこと)等の治療を行った結果により認定を行うとされています。
〇音声又は言語機能の障害(特に構音障害)とそしゃく・嚥下機能の障害とは併存することが多いですが、この場合には、併合認定の取扱いを行うとされています。
また、音声又は言語機能の障害(特に失語症)と肢体の障害又は精神の障害とは併存することが多いですが、この場合についても併合認定の取扱いを行うとされています。